よみがえる二百年前のピアノ

まして実際に古いピアノを見たりその音を聴いたりとなると・・・
そんなピアノフォルテとも呼ばれていた古い時代のピアノ修復の話。
書名 よみがえる二百年前のピアノ
著者 佐和みずえ
出版 くもん出版 2014年
目次 ◯はじめに
①ミイラピアノ到着-修復工房
②工作少年
③修行-二百年前のピアノとの出会い
④修復開始!
⑤ピアノが歩んだ道のり
⑥修復終了
◯おわりに
出版社を見て「あれ?」と思った方もいらっしゃることと思います。
はい。児童書です。
ですから私のように擦れた人間からすると物足りなく感じる部分もあります。
ただ児童書だからと言ってむやみに易しくしてないのには好感が持てます。
これを読んだ子どもたちが、少しでも古楽に、リュートに(なぜリュートが出てくるかは後半で明らかに)興味を持ってくれれば良いかなと思います。
内容は古いピアノの修復に関することなので当ブログとの接点はあるのですが、ここで取り上げたのにはもう一つ大きな理由が。
実はこの古いピアノの修復にあたったのは、我々にはリュート製作家として知られている九州の松尾淳さん。
彼の仕事ぶりや人となり、楽器製作に進んだようすなども記述されています。
何と、初めて作った楽器はリュートのキットだったようです。
私は以前は彼7コースも持っていましたが、現在は13コースを愛用しています。
実際に楽器を見て気に入り、作ってもらおうと思ってコンタクトをとったのが1993年。
そのとき送られてきた価格表にはリュートとならんでチェンバロやピアノの価格まで載っていました。
それを見た時、「あっ、この人はギター系の人じゃ無いんだ」と思ったのが記憶に残っています。
そして以前人伝に聞いてちょっと気になっていた、西村順治さんの許で修行したことをこの本で確認できました。
松尾さんはリュート製作を完全に止め、古いピアノの修復・製作に完全にシフトしたようです。
私のように彼のリュートを弾いている身からすると少々寂しいことなのですが、彼の新たなる飛躍を願うことにしましょう。
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コメント
No title
No title
サイモンさんこんばんは。
それぞれ目指す方向があるので、外野がとやかく言う訳にはいきませんが、ちょっと勿体無いなあ。
>西村リュート
<1981年製の方は先月辺りから出てますねえ。
もう1台2005年製は昨年からかな?
ずっと商談中になってますがもう売れたのかなあ?
それぞれ目指す方向があるので、外野がとやかく言う訳にはいきませんが、ちょっと勿体無いなあ。
>西村リュート
<1981年製の方は先月辺りから出てますねえ。
もう1台2005年製は昨年からかな?
ずっと商談中になってますがもう売れたのかなあ?
No title
ちらっと聞いた話では、もう1台のほうは、2000年製ですね、
これ、もう売れたそうです。HOLDのままですが。
1981年製の出物はまだあるそうです、これいいなあ。
これ、もう売れたそうです。HOLDのままですが。
1981年製の出物はまだあるそうです、これいいなあ。
No title
あっ、そうなんですね。
81年か・・・・
サイモンさん、ポチりましょう(w
81年か・・・・
サイモンさん、ポチりましょう(w
コメントの投稿
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ところで、西村さんのリュートといえば、国内最高峰ですが、現在は全く新作を見ないですねえ。
JGで調べたら、現在、東京都内の楽器店で13コースの出物が出ていますね、びっくりです。
バスライダー型で、杢目も大変に美しいです。