冥王星を惑星に 追記あり

今、アメリカの天文学者らを中心に、再び冥王星を惑星に復権させるべく活動が行われています。
冥王星は1930年、アメリカの天文学者クライド・トンボーによって発見されました。
アメリカ人の発見した初にして唯一の惑星であるため、某アニメに登場するネズミーのペット犬は「プルート」と名付けられました。
冥王星が準惑星に転落したことを聞いたこのアニメ会社の創始者は「「(プルートは)白雪姫の『七人の小人(ドワーフ)』たちとともに8人目の小人としてがんばる」との声明を出したとか。
(*準惑星の英語名 "Dwarf Planet"にかけたもの)
なぜ冥王星は惑星の座を降りることになったのでしょう?
冥王星は、発見当初こそ地球に匹敵する十分な大きさと質量を持った天体と考えられていました。しかしその後観測精度が上がるにつれて、地球の月よりも小さく、質量にいたっては地球の0.2%程度しかないことがわかってきました。
観測の度に小さくなっていくので、「そのうち冥王星は消えて無くなってしまう」などと揶揄されることも。
そしてその軌道も、他の8つの惑星が公転する公転面よりも大きく傾き、その小さな質量とも相まって彗星などと起源を同じくする天体ではないかと考えられるようになり、冥王星を惑星とするべきかどうかとの議論が起こります。
これに追い打ちをかけたのが、21世紀に入ってから次々と発見されだした太陽系外縁天体。
2001年にイクシオン(直径1200km以上)、2002年にクワオワー(1280km、これは冥王星の半分より大きい)、2004年にセドナ(推定1800km)、そしてとどめを刺したのが、2005年に発見されたエリス。
エリスは発見当初、冥王星より少し大きいとされました。(現在の観測値では冥王星の方が少し大きい。)
エリス等の発見者の1人マイク・ブラウンは "How I Killed Pluto and Why It Had It Coming (邦題「冥王星を殺したのは私です」)"なんて本を書いたりしてます。
ここまで来ると、単純に大きさや質量だけで惑星と小惑星を区別することが難しくなってきます。
冥王星に残された頼みの綱は衛星カロンの存在。
しかしこれとて他に衛星を持つ小天体がみつかったことから、絶対的な優位ではなくなりました。
冥王星の命運は風前の灯です。
そして運命の2006年8月、国際天文学連合の総会で惑星の定義を巡る会議が行われました。
会議は紛糾し、様々な意見とペンや紙飛行機が飛び交う中、次の3点全てを満たす天体を太陽系の惑星とすることに決定しました。
1、太陽の周りを公転していること。
2、自己の重力によって球形になるほど十分な質量を持っていること。
より明確にいうと、自己の重力により重力平衡形状になっていること。
3、軌道上から他の天体を一掃していること
冥王星の軌道上には様々な小天体が存在しているため惑星から転落、新たに設けられた「準惑星」に降格となりました。
しかし、この定義に関して異を唱える天文学者は少なくありません。
まずそもそも、この定義はごく小数の代表者の討議と投票で定められたものであり、天文学者の総意ではないため無効とする考え。
これら3点のうち、最も議論の対象となりまた最も支持者が少なかった「3、軌道上から他の天体を一掃していること」を厳密に適用すると、太陽系の惑星は0になってしまい不適当とする意見。
ただこれに関しては、冥王星以外の8つの惑星は「軌道上の他の小天体の質量の総和よりも遥かに大きい」のに対し、冥王星は「他の小天体の質量の総和より小さい」点が挙げられていますが曖昧な定義であることは確かです。
既存の定義に手を加える一方、他の惑星系にも通用するような全く新しく定義を作ろうとする人達もいます。
その代表的な考えの1つは、大きさや質量、形など単純に物理的な要件によってのみ惑星を定義しようとするもの。
この考えにによると、エリスやセドナなどの大型の小惑星も惑星に分類されることになります。
様々な意見考えを孕みつつ、アメリカを中心とする天文学者やNASAあるいはアメリカの様々な国家機関が、再び冥王星を惑星の座に押し上げるべく活動しています。
果たして冥王星が惑星に返り咲く日はやってくるでしょうか?
4/9 追記
ゴメンナサイ。四月の魚ネタです。
9割方は事実ですが、その隙間に嘘を書いてます ^^;
特に後ろの方は嘘の割合が高いです。
ただ、アメリカを中心に冥王星を惑星に復活しようとする動きはあるようですね。
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コメント
水金地火木土天海冥
No title
MKさん、こんにちは。
「水金地火木土天冥海」だったのは1979~99だったかしら。
現実的なことを言うと、冥王星の惑星復帰はちょっと厳しいかな、と。
「水金地火木土天冥海」だったのは1979~99だったかしら。
現実的なことを言うと、冥王星の惑星復帰はちょっと厳しいかな、と。
No title
もし、プラネット"9"が発見されて、これが太陽系由来の天体じゃなかった、としたら分類はどうなるでしょうね?想定外かな^^
No title
michaelさん、こんにちは。
プラネット9ですか。
もし見つかったとしても、その由来が分かるようになるには相当時間がかかるような気もします。
とりあえずは太陽系の惑星に分類しておけば良いのでは?
プラネット9ですか。
もし見つかったとしても、その由来が分かるようになるには相当時間がかかるような気もします。
とりあえずは太陽系の惑星に分類しておけば良いのでは?
冥王
知識はないのですが、もし冥王星が太陽の力の及ぶ範囲にあって公転しているのなら、ご家族でもお友達でも何でもいいのですが、一緒に太陽系のお仲間に入れておいたら如何かなとおもう一人です。
ワタクシも水金地火木土天海冥と覚えましたから。
冥王なんていい名前ですねぇ。
ワタクシも水金地火木土天海冥と覚えましたから。
冥王なんていい名前ですねぇ。
No title
ヨリックさん、こんばんは。
ご心配なさらずとも冥王星は今でも太陽系の一員です。
ただ、人間の都合で惑星から準惑星になった、というだけです。
冥王は一般的にはギリシャ神話のハーデス、あるいはローマ神話のプルートーを指すことが多かったのですが、最近はラノベやゲームの影響なんかもあって、日本では魔王と混同されることも。
ご心配なさらずとも冥王星は今でも太陽系の一員です。
ただ、人間の都合で惑星から準惑星になった、というだけです。
冥王は一般的にはギリシャ神話のハーデス、あるいはローマ神話のプルートーを指すことが多かったのですが、最近はラノベやゲームの影響なんかもあって、日本では魔王と混同されることも。
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公転周期の関係で、一時水金地火木土天冥海にもなりましたが、冥王星は惑星でいて欲しいですね。