ホルバインのリュート
16世紀前半の画家ハンス・ホルバイン (Hans Holbein ; 1497/98-1543) の代表作に「大使たち」があります。

これはヘンリー8世の命によって描かれたとされ、2人の人物はフランスの使節としてイングランドに渡ったダンドヴィユと友人のジョルジュ・ド・セルヴ司教。
この絵の中には様々な寓意が込められていますがそれは別に譲り、ここで取り上げるのは中に描かれているリュート。
これです。

見る人が見れば、これは典型的な6コース・ルネサンスリュートと分かります。
ボウルは11~13枚リブで材料はメイプルかアッシュあたり?
丸太のようなネックですね。
フレットは明らかにダブルフレット。それもかなり細いフレットです。
少し分かりにくいのですが、第4コースの弦が1本切れています。これは不調和を表しているとも。
ナットの部分を拡大してみます。

(私のさがした中ではこれより大きな画像はみつかりませんでした)
この絵から、張られている弦の太さを計算してみましょう(w
本当は実際の絵を計測してみたいところですが、望むべくもありません。
まず1コースから6コース低音側までは、この画像では133~134ドット(弦の中央部で計測)。
リュートをお持ちの方はご自分の楽器を測っててみればわかりますが、実際のルネサンスリュートでは大体40mm。
次に6コースの弦の太さは? とういうと4~5ドット程度。
この値を用いて計算すると、およそ1.2~1.5mmとなります。
私が張ってるのは1.48mmなので、結構いい値ですね。
他の弦については・・・

これはヘンリー8世の命によって描かれたとされ、2人の人物はフランスの使節としてイングランドに渡ったダンドヴィユと友人のジョルジュ・ド・セルヴ司教。
この絵の中には様々な寓意が込められていますがそれは別に譲り、ここで取り上げるのは中に描かれているリュート。
これです。

見る人が見れば、これは典型的な6コース・ルネサンスリュートと分かります。
ボウルは11~13枚リブで材料はメイプルかアッシュあたり?
丸太のようなネックですね。
フレットは明らかにダブルフレット。それもかなり細いフレットです。
少し分かりにくいのですが、第4コースの弦が1本切れています。これは不調和を表しているとも。
ナットの部分を拡大してみます。

(私のさがした中ではこれより大きな画像はみつかりませんでした)
この絵から、張られている弦の太さを計算してみましょう(w
本当は実際の絵を計測してみたいところですが、望むべくもありません。
まず1コースから6コース低音側までは、この画像では133~134ドット(弦の中央部で計測)。
リュートをお持ちの方はご自分の楽器を測っててみればわかりますが、実際のルネサンスリュートでは大体40mm。
次に6コースの弦の太さは? とういうと4~5ドット程度。
この値を用いて計算すると、およそ1.2~1.5mmとなります。
私が張ってるのは1.48mmなので、結構いい値ですね。
他の弦については・・・
・・・ご自分で。
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コメント
No title
No title
サイモンさん、こんばんは。
結構アバウトな作品もありますが、このホルバインの絵は髪の毛一本一本が分かるほど細密に描かれてますね。
これはドイツやフランドルといった北方ルネサンス絵画の特徴のようです。
今回リュート弦の太さを計測してみましたが、太さを測って描いたのでは? と思えるほどです。
貴重な絵画であると同時に貴重な資料ですね。
結構アバウトな作品もありますが、このホルバインの絵は髪の毛一本一本が分かるほど細密に描かれてますね。
これはドイツやフランドルといった北方ルネサンス絵画の特徴のようです。
今回リュート弦の太さを計測してみましたが、太さを測って描いたのでは? と思えるほどです。
貴重な絵画であると同時に貴重な資料ですね。
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フレットの二重部分など、普通なら1本で済ませてしまうのではと思うんですよ。
実物とビタ一文、違ってはいけないということなのか。
でもそのお陰で、当時の真実が現代において把握できるのですから感謝モノですね。